(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 渡部さん

映画の仕事インタビュー

本サイトを利用して映画・映像業界に就職を考えている方々に、実際に現場で働いている方のインタビューを通して実際の仕事の内容ややりがいなど、就職・転職に役立つ情報として紹介させていただきます。
第1弾は、『007』シリーズ、『スパイダーマン』シリーズなど洋画大作から、『リベンジgirl』や『斉木楠雄のΨ難』などの邦画作品まで幅広いジャンルの映画の配給を行っている株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの渡部 正宏(わたなべ まさひろ)さんにインタビューをお願いしました。

質問1
ご担当されている仕事の内容を教えてください。

私はソニー・ピクチャーズ エンタテインメント(以下、ソニー・ピクチャーズ)の映画部門に所属しています。映画部門ではアメリカ本社が製作した作品を日本の映画館で公開するための宣伝・配給業務を行っており、その中でも私は「インシアター・マーケティング」を担当しています。
「インシアター・マーケティング」とは、映画館の中での宣伝業務を指し、劇場にいらっしゃったお客様に対して、今後公開される自社作品をアピールすることがミッションです。具体的には、作品ポスターやチラシの掲出や映画本編が始まる前の予告上映、映画館の中で行うキャンペーンの企画・進行などの業務を行っています。
映画館にお越しになるお客様の多くは「映画ファン(moviegoers)」であり、今後も映画館で映画鑑賞をする可能性が高いため、インシアター・マーケティングは重要な役割を担っています。
一方で、映画館の中のポスター枠の数や予告の上映時間は物理的に限られるため、他の競合他社よりユニークで面白い企画を考え、いかに自社作品をアピールしていくかを日々考えています。

質問2
この業界に入ったきっかけを教えてください。

映画業界で働きたいという想いから、日米の大学で映画制作やビジネスを勉強しました。ハリウッド映画に携わりたいという思いが強く大学を卒業した後、ハリウッドスタジオの日本支社での採用機会を探りましたが、新卒での募集はほとんどありませんでした。
そこで、映画配給会社では宣伝業務でマーケティングの知識・経験が求められるだろうという考えのもと、マーケティング専門の代理店に就職しました。
前述の通り、ハリウッドスタジオの日本支社への憧れもあり、日々の業務で英語を使用する外資系の代理店を選択しビジネス英語も学びながら、一般消費材やスポーツメーカーなどのマーケティング業務に従事しながら、外資系配給会社からの社員募集の機会を伺っていました。
なかなか映画会社からの公募機会はないなかで、日々チャンスがないかアンテナを張り巡らしていました。そして、ソニー・ピクチャーズからの求人情報を見つけ応募した結果、採用に至りいまの業務を担当しています。

質問3
実際に仕事に就いてみてどうでしたか?

大学などで映画専攻だったこともあり、自分なりに映画ビジネスがどういうものかを理解しているつもりでしたが、いざ仕事に就いてみるとその仕事内容は多岐に渡り、驚くこと・知らないことの連続でした。
映画産業の中でどう行った業務が発生しているか、一般の人には見えない部分が多いと思います。実際に仕事について、映画ビジネスの仕組みや構造を理解していく中で、さらに映画というものが好きになれたし、その中でより具体的に自分が何をできるのかを考えるようになりました。
もし、今後映画産業に携わりたいと考えている人がいるなら、実際にその仕事をしている方から、具体的にどのような仕事が存在しないするのかなど話を聞くことをお勧めします。

質問4
この仕事のやりがいはどんなところでしょうか?

自分の担当分野についての話になりますが、映画業界は3,000万人とも言われるコアユーザーに支えられている産業だと言われていますが、その人たちに対して、次に観る作品を決定させる最も大切な手段の一つはインシアターマーケティング(劇場内宣伝)だと思います。
本編前の予告編や場内のポスター、チラシ、バナーやスタンディなどの大型ディスプレイなどがインシアターマーケティングの基本的な手法ですが、年間に数多くの映画が上映される昨今、館内スペースや予告枠は物理的に限られているため、そのスペース取りの争いは熾烈を極めます。そんな中、興行会社(映画館)と協力しながら、これまでにないインパクトのあるアイディアを考え、自社作品をアピールしていくことが最大のやりがいだと感じています。

質問5
これまで大変だった仕事、思い出深いエピソードなどを教えてください。

2017年に公開された「スパイダーマン:ホームカミング」では、ある映画館の幕間(映画が終わって次の上映が始まるまでの間の時間)にスクリーンで上映する映像を実際にハリウッドまで撮影しに行きました。ロサンゼルスで行われた同作のワールドプレミア会場で、スパダーマン役のトム・ホランドやアイアンマン役のロバート・ダウニーJr.などに直接インタビューをすることで、臨場感のある映像とともに作品の魅力を映画館にお越しいただいた皆様に伝えることができたと感じています。
出演者へのインタビューなどは、細かい調整が必要で実現が困難なケースも多々ありますが、それを実現できればインパクトの大きな施策となるため、大きな達成感を得られますし、ハリウッド作品に携わる上での一つの醍醐味だと思います。
2018年は全世界で大ヒット中の「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」(4月6日公開)や世界的大ベストセラーの実写映画「ピーターラビット」(5月公開)などの作品が控えているので、これらの作品についても他社がやったことがない切り口で面白い取り組みができればと考えています。

質問6
将来の目標、夢などがありましたら教えてください。

最近では映画館に行かなくても動画配信サービスなどで簡単に映画作品が視聴できるようになってきました。もちろん私自身それらの新しいサービスは使用しますし、便利だと感じていますが、「映画館で映画を観る」ことの魅力を今後も多くの皆様に体感してもらえればと思います。例えば「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」は体感型アトラクション映画で、IMAXやMX4D、4DXなどのラージフォーマットと呼ばれる映画館ならでは環境でご覧いただくと、その魅力がより伝わる作品になっています。実際に映画の世界に入り込んだような臨場感や迫力は、やはり映画館にいくからこそ味わえるものだと思います。それらの魅力をより多くの人に伝え、映画館に足を運んでもらえればとおもいます。

質問7
映画・映像業界での就職を希望する方にメッセージをお願いします。
(就職、転職に際して準備しておくべきことなどのアドバイス)

映画・映像業界といっても、その仕事は細分化されています。映画製作がやりたいのか、宣伝がやりたいのか、まずは自分がどんなことをやりたいのかを今一度考えてみてください。そのためには、どんな仕事が存在しているのかを知らなければいけませんし、その仕事をするにあたり必要なスキルを身につけなければいけません。
映画・映像業界は、全ての会社が定期採用をしているわけではないので就職のチャンスは限られています。だからこそ自分がやりたいことを明確にして、常に業界の動向に目を配りながら少ないチャンスをモノにできる準備をしておくことが重要だと思います。
ただ映画が好きということだけではなく、ほかの人に負けないスキルを身につけながら諦めずに根気強く準備をしていけば、チャンスを掴む日は必ずやってくると思います。頑張って下さい。

【プロフィール】
渡部 正宏(わたなべ まさひろ)
株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
映画 営業部 所属
日本大学藝術学部卒業。
米国でエンタテインメント・ビジネスを学んだのち帰国し、外資系PRエージェンシーを経て(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントに入社。
現在は、洋画作品を中心とした配給宣伝業務に携わり、映画館内でのプロモーションを担当。

 

 

 

【ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 近日公開作品】

『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』
公開日:2018年4月6日(金)
原題:Jumanji: Welcome to the Jungle
製作年:2017年 製作国:アメリカ
監督:ジェイク・カスダン
製作:マット・トルマック
製作総指揮:デビッド・ハウスホルター、ジェイク・カスダン
出演:ドウェイン・ジョンソン、ジャック・ブラック、ケビン・ハート、カレン・ギラン 他
公式サイト:http://www.jumanji.jp/

『ピーター・ラビット』
公開日:2018年5月18日(金)
原題:Peter Rabbit
製作年:2018年
製作国:オーストラリア・アメリカ・イギリス合作
監督:ウィル・グラック
製作:ウィル・グラック、ザレー・ナルバンディアン
原作:ビアトリクス・ポター
原案:ロブ・ライバー
出演者:ローズ・バーン、ドーナル・グリーソン、サム・ニール 他
公式サイト:http://www.peterrabbit-movie.jp/